車 錆 対策

車の錆(サビ)はどう対策する?錆の原因と日頃のケア方法・応急処置も解説

車の錆(サビ)はどう対策する?錆の原因と日頃のケア方法・応急処置も解説

車の錆を放置すると、修理費用が高額になる上、車の資産価値も大幅に低下します。しかし、錆の進行を防ぐ適切な対策を知らず、後になって後悔する車オーナーも少なくありません。そこで今回は、車の錆ができる原因と効果的な予防対策、万一錆が発生した際の応急処置について解説します。

 

車に錆ができる主な原因

愛車の錆対策を行う前に、車に錆ができる主な4つの原因について解説します。

 

1.傷の放置によるもの

 

車のボディにできた小さな傷は、実は錆の最大の原因のひとつです。駐車場でのドアパンチや小石の飛び散り、ちょっとした接触などで生じた傷を放置すると、そこから水分や空気が侵入し、錆が発生します。

 

塗装は車の金属部分を保護する役割を担っています。この保護層が傷つくと、下地の金属が露出し、酸素と水分が直接触れることで酸化反応(錆)が始まります。特に、塗装が剥がれて下地の金属が見えている状態では、錆の進行は非常に早くなります。

 

傷を見つけたら、すぐにタッチアップペイントで応急処置を行いましょう。指の爪程度の小さな傷であれば、自分で対処することも可能です。しかし、広範囲にわたる傷や深い傷の場合は、専門店での修理を検討することをおすすめします。

 

2.海辺や雪国などの環境によるもの

 

車の使用環境は錆の発生に大きく影響します。特に注意が必要な環境は海沿いの地域と雪国です。

 

海沿いの地域では、潮風に含まれる塩分が車体に付着し、錆を促進させます。

塩分は鉄を錆びやすくする性質があり、通常よりも早い速度で錆が進行します。

 

車のボディだけでなく、下回りや足回りにも塩分が付着するため、全体的な錆対策が必要です。

 

雪国では、路面凍結を防ぐために散布される融雪剤(塩化カルシウムや塩化ナトリウム等)が錆の主な原因となります。

 

これらの融雪剤は車の下回りを中心に付着し、足回りやブレーキ周り、フロアを含むボディ下端部に錆を発生させます。

 

ひどい場合にはボディの腐食にもつながるため、特に注意が必要です。

 

3.泥や汚れの付着によるもの

 

定期的な洗車を怠ることも、錆の重要な原因となります。車体に付着した泥や汚れを長期間放置すると、塗装面を傷めたり、水分を含んだまま車体に密着したりして錆の原因になります。

 

特に問題となるのは、車体下部の汚れです。この部分は日常的に目につきにくいため、洗浄が疎かになりがちです。泥や土が付着したまま乾燥と湿潤を繰り返すことで、塗装面に微細な傷がつき、そこから錆が始まることがあります。

 

また、鉄粉の付着も見逃せません。線路の近くや工場地帯では、大気中に含まれる細かな鉄粉が車のボディに付着し、放置すると錆の発生原因となります。

 

洗車の際は、ボディだけでなく、ホイールやタイヤハウス、下回りもしっかりと洗い流すことを心がけましょう。

 

4. 経年劣化によるもの

 

どんなに丁寧に扱っていても、時間の経過とともに車の塗装や防錆処理は劣化していきます。

 

塗装には時間が経つにつれて「マイクロクラック」と呼ばれる微細な亀裂が生じます。

この亀裂は肉眼では確認できないほど小さいものですが、そこから水分が侵入し、錆が発生する可能性が高まります。

 

また、紫外線や温度変化の繰り返しにより、塗装の密着性が低下することもあります。

 

特に製造から10年以上経過した車両では、錆のリスクが大幅に高くなります。新車時に施された防錆処理も年月とともに効果が薄れ、下回りや見えない部分から錆が始まることが多くあります。

 

経年劣化による錆を完全に防ぐことは困難ですが、定期的なメンテナンスや点検により、早期発見・早期対処することで進行を遅らせることは可能です。

 

日常からできる錆対策6

錆は一度発生すると完全に除去するのが困難になるため、予防が何より重要です。ここでは、車オーナーが日常的に実践できる効果的な錆対策を6つご紹介します。

 

洗車&ワックスがけを定期的に行う

 

錆予防の基本中の基本は、定期的な洗車とワックスがけです。これは最もシンプルながら、最も効果的な対策です。

 

洗車の目的は、車体に付着した塩分や汚れ、鉄粉などの錆の原因となる物質を除去することです。週に1回程度の洗車を心がけ、特に海沿いや雪国などの錆が発生しやすい環境では、より頻繁な洗車が必要です。洗車の際は、ボディだけでなく、ホイール、タイヤハウス、下回りもしっかりと洗い流すことが重要です。

 

ワックスがけは塗装面を保護し、水や汚れの付着を防ぐ効果があります。23ヶ月に1回程度のワックスがけが理想的で、最近ではより持続性の高いコーティング剤も選択肢として有効です。

 

ガレージに保管する

 

可能であれば、車をガレージに保管することは非常に効果的な錆対策です。屋外駐車と比較して、ガレージ保管には多くのメリットがあります。

 

まず、雨や雪、直射日光からの保護が挙げられます。特に酸性雨は塗装を傷める原因となり、長期間の露出は錆のリスクを高めます。また、鳥の糞や樹液などの付着も防ぐことができ、これらが原因となる塗装の劣化を防げます。

 

さらに、温度変化による結露の抑制も重要な効果です。屋外では昼夜の温度差により車体に結露が発生しやすいですが、ガレージ内では温度変化が緩やかになるため、結露のリスクを減らすことができます。

 

ガレージがない場合でも、カーポートの設置やボディカバーの使用である程度の保護効果を得ることが可能です。

 

傷は早期に修理する

 

車体にできた傷の早期修理は、錆対策において非常に重要です。小さな傷やチッピング(小石の飛び跳ねによる塗装はがれ)は、放置すると錆の起点となります。

 

傷を見つけたら、すぐにタッチアップペイントで補修することをおすすめします。指の爪程度の小さな傷であれば、適切なカラーのタッチアップペイントを使用してDIYで対処することも可能です。

 

深い傷や広範囲にわたる損傷の場合は、適切な下地処理や複数回の塗装が必要となるため、プロの技術と設備が不可欠です。修理費用を惜しんで放置すると、後に錆による大規模な修理が必要となり、結果的により高額な費用がかかることになります。

 

車体下部の防錆処理を行う

 

車の下回りは路面からの跳ね返りや融雪剤の影響を直接受けるため、最も錆が発生しやすい部位です。

 

ノックスドールなどの防錆剤を車体の下回りや内部の空洞部分に塗布することで、水や空気を遮断し、金属の腐食を防ぎます。一度の施工で数年間の効果が期待でき、特に新車購入時や使用環境が厳しい地域では、定期的な施工を検討することが重要です。

 

防錆処理は専門的な知識と技術が必要なため、信頼できる整備工場や専門店に依頼することをおすすめします。

 

点検を日常的に実施する

 

週末など時間に余裕がある時に、車体の点検を行う習慣をつけることも重要な対策です。早期発見により、小さな問題のうちに対処することで、大きな錆の発生を防ぐことができます。

 

点検では、ボディの傷の有無、特にドアまわりやバンパー、フェンダーなどの損傷を受けやすい部分を重点的にチェックします。

 

季節に合ったケアをする

 

車の錆対策は、季節ごとの環境変化に応じて適切なケアを行うことも重要です。各季節特有のリスクを理解し、それに対応した対策を実施することで、年間を通じて効果的な錆予防ができます。

 

春は花粉や黄砂の影響が大きくなります。これらの微粒子は、酸性の性質を持つため塗装を傷める可能性があります。こまめな洗車により、早期に除去することが重要です。

 

夏は強い紫外線により塗装の劣化が進みやすくなります。この時期は特にワックスがけを念入りに行い、塗装を保護することが効果的です。また、高温による塗装の膨張・収縮により、微細なクラックが発生しやすくなるため、より注意深い観察が必要です。

 

秋は落ち葉や木の実の酸による塗装損傷に注意が必要です。これらが車体に付着したまま放置されると、酸により塗装が侵され、錆の原因となります。こまめに取り除くことが重要です。

 

冬は融雪剤対策が最優先となります。融雪剤が散布された道路を走行した後は、できるだけ早く下回りを中心とした洗浄を行い、塩分を除去することが不可欠です。特に雪国では、この対策の頻度と徹底度が車の寿命を大きく左右します。

 

錆ができたときの応急処置

車に錆を発見した場合、適切な応急処置を迅速に行うことで、錆の進行を抑制し、被害を最小限に抑えることができます。ただし、応急処置はあくまで一時的な対策であり、根本的な解決には専門店での適切な修理が必要であることを理解しておくことが重要です。

 

錆の応急処置は、主に錆び取り剤を使用した除去と、その後のタッチアップペイントによる保護の2段階で行います。最初に、錆が発生している箇所を中性洗剤や専用のクリーナーで丁寧に清掃し、周辺の汚れを除去します。水分が残っていると錆がさらに進行する恐れがあるため、清掃後は該当箇所を完全に乾燥させることが重要です。

 

次に、市販の錆び取り剤を使用します。錆び取り剤には液体タイプとペーストタイプがあり、使用箇所に応じて選択します。液体タイプは広範囲の錆に適しており、筆やはけで広範囲に塗ることができ、錆を浮き上がらせて拭き取ります。一方、ドアエッジのような垂直部分では液体が流れ落ちてしまうため、ペーストタイプの錆取りクリームを使用し、錆にしっかりと絡みつかせて除去します。

 

錆の除去後は、露出した金属部分をそのまま放置すると再び錆が発生する可能性が高いため、必ず防錆処理を行います。錆止めペイントや錆転換剤を塗布することで、錆の進行を抑制できます。錆転換剤は特に効果的で、残存する錆を錆止めの被膜に変化させ、錆の進行を阻止します。

 

最後に、ボディカラーに合ったタッチアップペイントを塗布して、処置した箇所を目立ちにくくします。タッチアップペイントを塗布する際は、薄く何度かに分けて塗り重ねることで、自然な仕上がりにすることができます。

 

ただし、これらの応急処置は「錆の進行を一時的に止める」ことが目的であり、根本的な解決には適切な下地処理や塗装が不可欠であることを理解し、早めに専門家に相談することをおすすめします。

 

まとめ

 

車の錆対策は予防が最も重要で、傷の放置、海辺や雪国などの環境、泥汚れの付着、経年劣化が主な原因となります。日常的な洗車とワックスがけ、ガレージ保管、傷の早期修理、車体下部の防錆処理、定期点検、季節に応じたケアを継続することで効果的に錆を防げます。万一錆が発生した場合は錆び取り剤とタッチアップペイントで応急処置を行い、広範囲な錆は専門店に相談しましょう。

 

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